計量法で定められていることとは
世の中にはさまざまなはかりがありますが、計量法では取引や証明に使用される検定付きはかりや特定計量器に関して「定期検査」を義務付けています。この定期検査を受けていない計量器を商売で使うと、50万円以下の罰金が科されるという厳しい法律です。ここで言う取引とは、有償無償を問いません。物品や薬などを業務上計る場合、必ず定期検査を受け、合格した機器しか使ってはいけないとされています。つまり店舗などで商品の重さを表示する機器や、原材料や製品の販売、食材購入や荷物の運賃を出す場合など、質量をもとに商売をする場合は必ず2年に1回、定期検査を受けなければなりません。検定付きはかりは「特定計量器」といい、検定証印や基準適合証印が最初からついています。商売で使うならそれらを選び、継続使用しながら、必ず2年ごとに検査を受け適合させる必要があります。
都道府県の計量検定所などで検査を
定期検査は2年毎におこなうことが法律で決められており、精度が公差内にあること、構造が正しいことを確認する必要があります。合格すると定期検査済証印が付けられ、その印がない機器を使って商売をすることはできません。定期検査証印は各都道府県が独自につけるため、マークのデザインは自治体によってさまざまあります。検査の実施時期も、各都道府県の計量検定所など公的機関が公示するため、きちんとスケジュールに則って忘れずに検査を受けるようにしましょう。
定期検査とは異なる校正とはどのようなものか
各都道府県が実施する定期検査と、計量器の校正とは別に考える必要があります。校正は法律で義務化されているものではなく、使用者が不確かさを把握するために実施するものです。ISOでも期間や有効期限は決められておらず、いつ実行するかは使用者自身で決めることになります。ただ一般的にメーカーでは1年に1回の校正が推奨されていますし、長期間実施していない機器で測定することは企業の社会的信用を損ね、責任放棄とみなされても致し方ありません。もちろん同じ計量器でも使用頻度や環境で狂いは大きく異なります。周期を見定めるには1年毎にチェックを繰り返し、実績から算出するのが一番です。ただし、確認するのは基準値との差異であり、値を修理や修正する行為ではありません。結果として調整が必要であると判断された場合、機器を修理やメンテナンスに出すか、新たに購入し直す必要があります。なぜ法的義務ではないのに実施する必要があるかと言えば、生産物の品質を保つために尽きます。正しく測定できない測定機器で社内検査を通したところで、取引先の検査で不良品と見なされれば社会的信用を大きく損なうでしょう。機器の精度を第三者が証明することで、自社の生産物が間接的に保証されることになります。